京都御所
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京都御所
歴史を肌で感じることのできる
歴代天皇の住まい

京都市上京区、洛中と呼ばれる場所にある京都御所は、室町時代から明治時代になるまで天皇の住まいだった場所です。国政の中心地でもあり、明治・大正天皇の即位式をはじめさまざまな公務や儀式も執り行われました。今までは春と秋の特別公開の時しか見学できず、それ以外のときははがきによる申し込みが必要でしたが、2016年7月より1年を通して無料で見学できるようになっています。

この記事では、そんな京都御所の歴史や見どころ・周辺のおすすめスポットなどをご紹介しましょう。

01. 室町時代から続く
京都御所の歴史

現在の京都御所は、室町時代から明治時代まで歴代天皇が住まわれ国政の中心となっていた場所です。この項ではその歴史をかいつまんでご紹介しましょう。

室町時代から江戸時代まで

794年に奈良から京都へ都が遷都し、それと同時に御所も新しく造られました。遷都当時の御所は、現在の千本通り沿いにあったといわれています。

鎌倉幕府創立時、京都を脱出した後醍醐天皇(ごだいごてんのう)に変わって幕府は光源天皇(こうごうてんのう)を擁立し、土御門東洞院殿(つちみかどとうどういんでん)という建物を、新たな天皇の住まいとして現在の場所に造りました。これが現在の京都御所の元になります。

最初は一町(約110m)四方のこぢんまりとした建物でしたが、足利義満(あしかがよしみつ)によって拡張され、1392年に正式な御所となりました。戦国時代末期になると織田信長や豊臣秀吉が整備し、現在の姿に近いものになります。

江戸時代初期の1613年、徳川幕府の主導により旧殿が取り壊されて新しく建てなおされました。その後、火災によって7回、建物の老朽化による立て直しで1回と、江戸時代中に計8回も御所の建物は再建されています。

現在公開されている御所内の建物たちは、幕末の安政年間に寛政内裏の様式を模して再建されたものです。そのため、安政内裏という別名があります。

明治時代から現在まで

1869年(明治2年)になると、明治天皇は京都御所から江戸城を改造した現在の皇居に移ります。それに伴い、公家たちも京都から東京へ移り住みました。現在、京都御苑として京都市民の憩いの場所となっている公園は、江戸時代までは天皇に仕えていた公家たちの住まいが密集していた場所です。

1877年(明治10年)に京都御所を再訪した明治天皇は、その荒れ果てた様子に驚いて政府に保管を命じました。この際、天皇は私有財産の一部を京都御所を回収して保管する費用に充てています。天皇の命令によって荒れ果てた京都御所は改修され、空き家となった公家の邸宅は取り壊されて跡地が整備されました。

戦時中は御所内にある建物の一部が空襲除けに撤去されたり、戦後には花火が原因の火事で小御所が焼失したりしましたが、1970年代に復元されて現在に至ります。

現在、京都御所を取り囲む京都御苑は京都市民の憩いの場となっており、梅や桜・紅葉の名所としても有名です。

02. 歴史の生き証人
京都御所の魅力

京都御所は、700年以上の長い間国政の中心として様々な行事や公務が行われ続けてきました。まさに歴史の生き証人です。この項では、そんな京都御所の魅力をご紹介しましょう。

歴史的な建造物

京都御所内には、政務や儀式が行われた建物や天皇が暮らした建物が残っています。内部に入ることはできませんが、外側から出も十分に内部の様子をうかがい知ることができるでしょう。歴史的な建造物は京都にたくさんありますが、京都御所内の建物は寺社仏閣や城郭とはまた違った風情が感じられ、歴史が好きな方は必見です。なお、京都御所の一部は、現在も国賓の接待などに使われています。

美しい自然

京都御苑は京都市街地にありながら緑が豊富な場所として有名です。京都御所内も美しい枝ぶりの木々が多く、特に紫宸殿の南庭に植えられている左近の桜と右近の橘は、広く知られています。また、京都御苑内には梅林があり、京都有数の梅の名所です。毎年2月下旬~3月にかけて、多くの観光客が北野天満宮と併せて訪れます。

併せて見学したい周辺の施設

京都御所は京都御苑という広大な公園の中にあります。京都御苑の中にはこの他に仙洞御所(せんどうごしょ)と京都迎賓館といった施設があり、こちらの方も見学可能です。

仙堂御所

仙堂御所は江戸時代初期に皇位についていた後水野尾(ごみずのお)天皇が上皇になられた際に住んでいた場所で、現在は茶室と庭園だけが残されています。

京都迎賓館

京都迎賓館は赤坂迎賓館と同じように外国からの来賓をもてなすために2005年(平成17年)に建てられました。京都迎賓館は以前の京都御所と同じように公開時期が限られています。

この2つの施設を見学するには事前の申し込みが必要ですが、当日整理券も配布されていますので、少人数であれば当日申し込みでも大丈夫です。公開時間などは宮内庁内閣府のサイトで公開されているので、確認してから訪れるとよいでしょう。

03. 京都御所内部の
見どころ

この項では、京都御所内で見学できる建物の特徴や見どころをご紹介しましょう。京都御所を見学する際の参考になりますよ。

清所門

清所門(せいしょもん)は、京都御所内部を見学する際に入り口となる門です。大きくはありませんが、瓦葺で重厚感があります。入り口には皇宮警察がおり、手荷物検査があるので注意しましょう。スーツケースなどの大型荷物・三脚・危険物などは持ち込めません。大きな荷物がある方は、事前にコインロッカーなどで預けておきましょう。

宜秋門

宜秋門(京都御所)

宜秋門

宜秋門(ぎしゅうもん)は、公家門や唐門と呼ばれていた門で皇族や公家などの身分の高い人が用いる門でした。春と秋に特別公開が行われていた時はこの門から入場することがありましたが、現在は閉ざされており外側からの見学になります。

御車寄

御車寄(京都御所)

御車寄

御車寄(おくるまよせ)は、京都御所の玄関だった場所です。昇殿を許された人はここで乗り物を降りてから建物の中に入りました。御車寄せは京都御所内部の主要な建物と廊下でつながっています。上部にある唐破風(からはふ)には細部にまで装飾がなされており、華やかです。

諸大夫の間

諸大夫の間(しょだいぶのま)は、御所に呼ばれた人々の控えの間として使われました。身分によって控える部屋が決まっており、虎の間が最も格が高く、鶴の間・桜の間と続きます。部屋の名前はそれぞれの部屋に描かれている襖絵にちなんで付けられました。絵の作者は、虎の間は岸岱(がんたい)・鶴の間は狩野永岳(かのうえいがく)・桜の間は原在照(はらざいしょう)です。色は付けられておらず、墨だけで描かれています。

新御車寄

新御車寄(しんみくるまよせ)は、大正天皇が即位する際、新たに作られた御車寄(おくるまよせ)です。昭和天皇や今上天皇も使用しており、御車寄に代わって京都御所の玄関としての役割を担っています。

建礼門

建礼門(京都御所)

建礼門

建礼門(けんれいもん)は、京都御所にある6つの門の内最も格式が高いもので、天皇陛下だけが使用することができます。天皇陛下と同伴でなければ皇后陛下も使用することはできません。普段は閉ざされており、外側からだけの見学になります。時代祭・葵祭の行列が出発する門としても有名です。

承明門

承明門(京都御所)

承明門

承明門(じょめいもん)は内裏の正面玄関に当たる門で、建礼門と対をなします。建礼門と同じ檜皮葺で、この門をくぐると紫宸殿の真正面です。現在は閉ざされており、外側からだけの見学となります。

月華門・日華門

日華門(京都御所)

日華門

月華門・日華門は紫宸殿を取り囲む門の一つです。セットで紹介されることが多い門ですが、日華門の方が格式が高いとされています。梁や柱が朱塗りになっており、遠くからでもよく目立つ門です。

右近の橘・左近の桜

右近の橘(京都御所)

右近の橘

右近の橘と左近の桜は、紫宸殿の前庭に植えられている一対の樹木です。京都御所には樹木が豊富ですが、この2本はひな人形にも取り入れられていることから、特に知名度が高くなっています。左近の桜は元々は梅の木でしたが、960年に紫宸殿が火災で焼失した際に一緒に失われてしまい、後に桜が植えられました。橘は平安遷都の前からこの地にあったものと伝えられています。

紫宸殿

紫宸殿(京都御所)

紫宸殿

紫宸殿(ししんでん)は京都御所の中核をなす建物です。天皇の即位式など最も格式の高い儀式が行われる場所であり、昭和天皇までここで即位式が行われました。入母屋造で檜皮葺の屋根を持つ建物で江戸時代後期に再建されたものですが、平安時代の寝殿造りを基調としています。西欧の宮殿のような華やかさはありませんが、重厚さと格式の高さを感じさせる建物です。

紫宸殿の中央にあるのが高御座(たかみくら)で、即位式の際に天皇が座ります。現在の高御座は大正天皇が即位する際に造られました。

建春門

建春門(京都御所)

建春門

建春門(けんしゅんもん)は、建礼門のすぐ隣にある門です。建礼門に次いで格式の高い門で皇后陛下や皇太子が単独で京都御所内に入る場合に使われていました。外国の首相が京都御所を訪れる際もこの門が使われます。

宜陽殿

宜陽殿(ぎようでん)は、紫宸殿の東側に隣接している建物です。ここには、楽器や御本など歴代の御物(天皇の持ち物)が保管されています。一種の宝物庫ともいえるでしょう。

春興殿

春興殿(京都御所)

春興殿

春興殿(しゅんこうでん)は、日華門のすぐ側にある銅葺の屋根が印象的な建物です。ここには御所を守る兵士たちの武器が納められていました。

清涼殿

清涼殿(京都御所)

清涼殿

清涼殿(せいりょうでん)は、紫宸殿の北西に位置する建物です。紫宸殿が儀式用の建物なのに対し、清涼殿は天皇が日常生活を送る建物として使用されていました。紫宸殿と同じく入母屋造で檜皮葺の屋根を持ちます。中央にあるのは天皇が座る御座(ござ)です。

小御所

小御所(京都御所)

小御所

小御所(こごしょ)は、皇太子が元服式を行ったり天皇が将軍など幕府の要人と面会したりしていた建物です。幕末に小御所会議があった場所としても知られています。1954年(昭和29年)に焼失し、1958年(昭和33年)に再建されました。

御池庭

御池庭(京都御所)

御池庭(欅橋)

御池庭(おいけにわ)は、小御所と御学問所の間にある池を中心とした回遊式庭園です。中に入って散策することなどはできませんが、離れた場所から見学することはできます。外国人観光客にも人気の場所で、撮影スポットとしても有名です。

蹴鞠の庭

蹴鞠の庭(京都御所)

蹴鞠の庭

蹴鞠(けまり)の庭は、文字どおり蹴鞠を楽しむ場所で砂利敷きの広場になっています。蹴鞠は日本で古来から行われている貴族の遊戯で、現在のサッカーのように鞠を落さないように蹴り合うものです。この庭では、現在も定期的に蹴鞠の実演が行われています。

御学問所

御学問所(おがくもんじょ)は、書院造の建物で天皇が勉学をしたり、皇子などに親王の位を授ける親王宣下(しんおうせんげ)が行われたりした場所です。和歌の会が催されるなど、臣下との会合にも使われました。

御内庭

御内庭(京都御所)

御内庭

御内庭(ごないてい)は、曲水が流れる趣向を凝らした庭で、茶室を配しています。御池庭の奥に位置しており、やはり遠くから拝見する形で見学する庭です。土橋や石橋なども風情があります。

御常御殿

御常御殿(京都御所)

御常御殿

御常御殿(おつねごてん)は、京都御所の建物の中でもっと大きな書院造の建物です。16世紀に清涼殿(せいりょうでん)から独立して造られました。天皇が日常生活を送っていた建物です。

御三間

御三間(京都御所)

御三間

御三間(おみま)は、宮中行事が行われていた建物です。下段・中段・上段の間に分かれていたことからこの名がつきました。それぞれの間には見事な襖絵があり、必見です。上段の間後方には三種の神器の一つである剣璽(けんじ)を奉安した剣璽(けんじ)の間があります。

04. 京都御所の
関連イベント

この項では、京都御所が関連するイベントをご紹介します。イベントに合わせて御所を訪れるのもおすすめです。

葵祭

葵祭は京都三大祭の一つで、源氏物語にも登場する歴史あるお祭りです。優雅な平安装束に身を包んだ人々が京都御所の建礼門を出発し、上賀茂神社・下鴨神社まで練り歩きます。行列は勅使を中心とした本列と斎王代列の2つがあり、斎王代列はとても華やかです。

時代祭

時代祭は平安遷都1100年を記念して1895年(明治28年)に始まったお祭りです。今では国内だけでなく海外からも見物客がたくさん訪れるお祭りで、旅行社による見学ツアーもたくさん組まれています。

一番の見どころは京都の歴史を表わす時代行列です。さまざまな時代の装束をつけた人々が建礼門を出発し、平安神宮まで約2時間かけて練り歩きます。

05. 京都御所の
グルメ情報

京都御所がある洛中は、グルメスポットも豊富です。この項では、一押しの場所をご紹介しましょう。

丸太町十二段家

丸太町十二段家は、大正時代から続くお茶漬けを中心とした日本料理店です。創業当時は和菓子屋でしたが、大正時代は丸太町あたりに花街があり、そこに遊びに来るお客目当てにお茶漬けを出したところ評判になったという歴史があります。現在は名物のお茶漬けの他、しゃぶしゃぶやステーキ・お造りなどの一品料理が楽しめるお店です。しゃぶしゃぶは人気なので、できれば予約をした方がよいでしょう。

アクセス情報
住所:京都府京都市中京区烏丸丸太町西入
電話番号:075-211-5884
営業時間:11時30分~14時30分 ・17~20時(売り切れ次第閉店)
定休日:水曜日
駐車場:なし
交通案内:地下鉄烏丸線丸太町駅北4番口から徒歩1分

グリルデミ

グリルデミは、店名にもなっているデミグラスソースとハンバーグが評判の洋食店です。京都というと和食というイメージがありますが、洋食も老舗が多く有名店もたくさんあります。お弁当のテイクアウトも可能ですので、気候が良い時期はお弁当をもって京都御苑を訪れてもよいでしょう。

アクセス情報
住所:京都府京都市中京区夷川通室町東入ル巴町80 パルマビル1F
電話番号:075-211-7661
営業時間:11時30分~15時・17~22時
定休日:月曜日・第三火曜日
駐車場:なし
交通案内:地下鉄烏丸線丸太町駅より徒歩3分

松屋常盤

松屋常盤(まつやときわ)は、350年以上の伝統がある菓子店です。名物の紫野味噌松風(むらさきのみそまつかぜ)は、御所に献上されて天皇も召し上がった格式高いお菓子。西京味噌を塗って仕上げたカステラで、華美ではありませんが他では食べることのできない複雑なおいしさです。1日に販売している量が限られていますので、確実に購入したい場合は予約をしておくとよいでしょう。

アクセス情報
住所: 京都府京都市中京区堺町通丸太町下る橘町83
電話番号:075-231-2884
営業時間:9~17時
定休日:無休
駐車場:なし
交通案内:地下鉄烏丸線丸太町駅より徒歩5分

06. 京都御所
まとめ

いかがでしたか? 今回は京都御所の歴史や見どころをご紹介しました。以前は春と秋の特別公開時になると大変な人混みでしたが、今は比較的余裕をもって見学することができます。また、京都御苑は桜や梅をはじめ四季折々の草花が楽しめますので、時間がある方は散策してみるのもおすすめです。なお、京都御所内は砂利敷きの道になっていまるので、歩きやすい靴を履いていくとよいでしょう。足が不自由な人向けに車いすの貸し出しもあります。

07. 京都御所
アクセス情報

住所:京都府京都市上京区京都御苑3
電話番号:075-841-0096  
見学時間:9~17時
見学休止日:月曜日(国賓が訪れる際など臨時休止日あり)
駐車場:あり
交通案内:市営地下鉄烏丸線丸太町駅下車 、徒歩1分
公式サイトhttps://sankan.kunaicho.go.jp/guide/kyoto.html

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